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2015年に挑むキーマンに聞く(10) アルミ流通業界の現状と課題

── アルミの市場規模から伺いたい。

日本アルミニウム協会の統計資料によると、2014年度のアルミ圧延品(板類・押出類)の出荷量は203 万7594トン。2年連続のプラスで、200万トンの大台超えは4年ぶり。内訳は、板類が約125万トンで、押出類が約80万トン。板類は缶材が約42万トン、自動車が約15万トン、輸出が約22万トンを占めており、軒並み前年実績を上回っている。

── 九州のマーケットはどの程度なのか。

アルミ圧延品は近年、自動車や航空機をはじめ、精密機械器具の部材、缶材などさまざまな用途で使用されるケースが増えている。しかし、アルミ圧延品を使用するユーザーが首都圏に集中しており、九州のマーケットは小さい。板類の場合は、全国の2%弱といったところ。そのうちの約半分はLNG船向けが占めている。ステンレス鋼板の市場規模が全国の4.7%なので、半分以下だ。

「低位安定」の需要規模

── アベノミクスを実感できていますか。

需要は大きく伸びてもいないが、減ってもいない。どちらかと言うと、低位で安定している。(経済産業省)九州経済産業局は、景気判断を「九州地域の経済は緩やかに持ち直している」としているが、実感は乏しい。2月の新設住宅着工戸数は前年同月を下回っており、公共工事請負金額も7カ月連続で減少している。製造業は持ち直しているものの、15年度の全産業の設備投資計画は前年度を8.1%下回る見通しだ。

── アルミ市況の推移はどうですか。

品種によって若干の濃淡はあるが、総じて変わっていない。ただ、メーカーのトータルコストが相当に上がっているため、昨秋からロールマージン(加工賃)が引き上げられている。約8年ぶりの改定で、上げ幅は10~15%。ユーザーの理解を得て、3月までにほぼ浸透している。

── 流通の採算は確保できていますか。

輸送コストが、昨年から急に値上がりしており、昨年から採算が厳しくなっている。路線便やチャーター便を含めて、売り上げの2%以上を占めてきている。一方で、価格競争が熾烈(しれつ)になってきている。マーケットが小さいだけに、採算に軸足を置いた販売姿勢で臨まないと、収益は確保できない。

── 「九州軽金属商協会」の現況は。

平成元年(1989年)に発足したので、今期が27年目。東京、大阪、名古屋、広島地区に次いで組織化された組合で、発足当時は23社(問屋16社、メーカー7社)。4年後には25社に増えたが、現在は20社(同15社、同5社)に減っている。他地区に比べて会員が少ないので、今期から枠を広げて会員拡大を図っていきたい。

── この4月に、新会長に就任された。

通常総会のほかに、社員研修会や工場見学会。新年会、ゴルフ懇親会、2年に1回は、若手社員中心のビアパーティーなどを実施している。また毎年4月、日赤福岡県支部を通じて、東日本大震災の被災地に義援金を贈呈している。トピックスとしては、全国軽金属商協会の来年度総会が、福岡市で開催される可能性がある。

輸送用機械部門の伸び期待

── 最後に、業界の見通しを。

地金が暴騰した際に、他素材に置き換わった分野を、まだ呼び戻せていない。船、鉄道、航空などの輸送用機械部門は、必要な強度・安全性を満たしながらも、可能な限り軽量であることを求められている。九州地区の場合は造船業界が復活してきており、機能性に優れたアルミの伸び代は十分にある。

鉄鋼新聞 2015年5月15日掲載記事

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